ぐうたら日本語教師の毒のある独り言

暇つぶしに日本語教師をしています。収益化を考えていないので、日本語教育の裏話や搾取されない生き方など、自由に書いています。

オンライン日本語教師 ~カフェトーク編③~

つづきです。

今回は、「オンライン日本語教師は収益上がらない理由」というテーマで書きます。

 

カフェトークに登録はしたけれど、「生徒が集まらない、利益を出せない」経験をしました。

そこで、わたしが新規生徒を増やすために試した方法を(失敗談?!)を紹介します。みなさんは、これを参考にして失敗しないように・・(笑)

 

 

①授業料の値下げ

まずは、新規生徒が来ないと収益も出ない、ということで、クーポンを発行しました。前回も書きましたが、カフェトークには「クーポン」というものがあります。これを発行すると、生徒は割引された価格で受講することができます。

 

カフェトークで継続できている先生は、だいたい初めの1週間は100%OFFにしている方が多いように思えました。割引率なのですが、クーポンを発行している先生が多すぎるので、30%OFFとかだとインパクトが全くありません。割引率が低いと、目にとまりません。様子を見ながら気長に授業料の調整を100%OFF→80%などしていく方が多いようです。

授業料を1000円に設定していても80%OFFだったら、200円。40%の手数料を引いたら、こちらに入るのは120円。

経済的な余裕がないと、無理ですね・・

 

 

②新着講師ランキングにランクインする。

カフェトークでは、「新着講師ランキング」というものがあります。

カフェトーク内で講師歴3か月以内の先生を対象とした人気投票です。ここでランクインをすると、みんながあなたのプロフィールを目にするので、多少生徒は集まります。

クーポンを発行していれば、比較的すぐにランクインできるので、ランクインしてから授業料を調整するという方法もあります。

 

余談ですが、ランキングすると、同業者もあなたの授業を受講する機会がとても増えます。ランクインした週は、カフェトーク内で英語を教えているアメリカ人の先生が生徒としてわたしの日本語のレッスンを受講したりすることがありました。

カフェトークの特徴だと思うのですが、同業者が多かったです。学習者のほとんどが講師としてもカフェトークに登録していました。メルカリと同じ構造ですね。

 

 

③リピーターを増やす。

日本語しか話せない講師のところには、基本的に上級者~超級の学習者しか来ません。なので、リピーター獲得はとても難しいと思います。上級者~超級の学習者は一元様が多く、よっぽど趣味が合う、おもしろい話題を毎回提供できる講師でない限りリピーターにはなりません。

リピーターを増やすには、他の国の言語を話せるのがポイントだと実感しました。

 

 

④授業の感想を書いてもらう

「リピーターを増やすためにはどうすればいいですか?」と、カフェトークのスタッフに相談したところ、「口コミ書いてくれたら割引クーポン発行しますよと生徒に言ってみたらどうですか?」とアドバイスを受けました。なので、授業の最後に「口コミ書いてね」と、念を押すのもいいかもしれません。

ちなみに、この口コミですが、レッスン料を無料にしておくと、良い口コミが集まるようです。当たり前ですが・・

利用者の立場で言うと、口コミはあてにはならないということです。

 

 

⑤スタンバイ機能を使う

「今すぐに受講できる先生」として、オンラインスタンバイ機能というものがあります。PCをオンにしておけば、受講したい生徒から連絡が入るというシステムです。ただし、5分以内にコールしなければしばらくこの機能が使えないというルールがあります。

わたしもこれを活用していたのですが、ウーバーイーツのマック地蔵の心理を味わうことができます(笑)

よほど暇な人にはお勧めです。

 

以上、いろいろ試してみたのですが、結局うまくいきませんでした。みなさん、参考までに(笑)

 

 

 

オンライン日本語教師 ~カフェトーク編②~

続きです。

 

オンライン日本語教師のプラットフォームはいろいろあると思うのですが、他社と比べてカフェトークのいいところは、すべてにおいて「自由」なところだと思います。

 

①授業内容

何でも教えることができます。提供できるレッスンのカテゴリーが広く、自分の趣味や強みを生かしたレッスンも、講師次第で、提供が可能です。たとえば趣味が和太鼓だったら、語学に縛られず、趣味の和太鼓を生かしたレッスンもできます。

 

②授業スタイル・テキスト

これも自由です。講師次第です。研修も特にありません。チームで日本語を教えるスタイルではなく、完全に個別です。

 

③授業料

自分で設定ができます。0円から設定できます。価格は講師次第です。

 

以上が良い点ですが、これはひっくり返すと悪い点にもなります。

 

①授業内容

みんなが「何でも教えることができる」ということは、同じような授業が多くなります。たとえばほとんどの日本語教師が「日本語フリートーク(会話)」の授業をされています。登録講師の数が多い中で自分を見つけて授業を取ってくれる可能性は、新規参入の場合ほぼゼロに近いです。講師登録はしたものの、しばらくの間は生徒は来ません。コロナでベテラン日本語教師もオンラインのほうに流れてきているので、ベテランだろうと、生徒獲得は困難です。


②授業スタイル・テキスト

「すべて自由」「研修なし」ということは、生徒が来ないなら自分で考えろということになります。

 


③授業料

「自分で設定ができる」「0円から設定できる」。これが落とし穴だと思います。上記にあるように、カフェトークの登録講師数が多い中で自分を見つけて授業を取ってくれる可能性は、ほぼゼロです。じゃあ、どうするか。生徒を獲得するために「無料で(もしくはタダ同然で)」授業をするのです。

 

前回の記事に「クーポン」について書きましたが、熱心な講師は生徒を増やさなければと頑張って「クーポン」を使って期間限定で100%OFFの授業にします。すると、「無料だったら授業を取ってみよう」と新規生徒が何人か来ます。しかし、この人たちは「一元さん」なのです。新規の講師が発行するクーポンをいつも探し回っているような人たちなので、絶対にリピートしてもらえません。

 

無料の授業をいくつかこなし、そろそろ授業料をいただこうと値段を設定すると、また生徒が集まらなくなってしまいます。なので、はじめは期間限定で無料授業を行っていたとしても、期間限定の無料授業ではなくなってしまうのです。

 

わたしの肌感覚で、新規参入の場合、日本語のレッスンは30分500円が相場だと思っています。30分500円を超えたら、生徒は来ません。30分500円、つまり40%の手数料を取られたら自分のところに入ってくるのは、30分300円。あり得ませんね。

 

写真を準備して、レッスン内容を練り直して、自己紹介文を考えて、無料レッスンをある程度こなし、その結果、手に入るのは時給600円のレッスン。これが現実です。

 

オンライン日本語教師 ~カフェトーク編①~

前回の記事にも書きましたが、コロナで日本語学校の仕事がなくなり、解雇される日本語教師が増えつつあります。

わたしも2ケ月だけオンライン日本語教師なるものを体験してみたのですが、全く稼げませんでした。

そこで、今回は、「オンライン日本語教師」について、書きたいと思います。

 

まず、どこでオンライン日本語教師をするか迷う人が多いと思います。有名どころは、カフェトーク、italki、Preplyなどでしょうか・・。

 

わたしは、日本の会社だから安心かなあと思い、カフェトークでオンライン日本語教師をすることにしました。

カフェトークは、italkiやPreplyと違い、講師登録が楽です。ビデオを作製する必要がありません。自己紹介文と授業内容を、写真と文を使ってプロフィールを作っていきます。

 

講師登録のプロフィールが完成すると、スカイプを使って、カフェトークの人と、直接面接があります。講師が設定した空いている日時に面接官が簡単な面接をします。面接は、世間話程度でした。私の時の面接官は外国の方でしたが、日本語で話すので安心してください。その面接が終わったら、いよいよ新しい講師として、カフェトークの講師一覧に表示されます。

ちなみに、カフェトークの仲介手数料は、40%です。つまり、1000円の授業をしたら、600円しかもらえないということです。

 

このカフェトークの面接で印象に残ったのが、「授業単価を下げないでください。もし授業料を下げるんだったら、クーポン(期間限定の割引券)を発行してください。」と強く言われたことです。面接官に理由を聞くと、「初めから安い価格で授業料を設定していると、あとで生徒が増えてきたときに値上げをしたら、せっかくついた生徒が離れて行ってしまうから」とのこと。

つまり、クーポン(期間限定の割引券)を使って、授業料を調整してね、という内容でした。

 

このときは「なるほど」と思ったのですが、この「クーポン」が後々やっかいなものとなっていくのです。

 

コロナと日本語教師

2021年10月現在。

新型コロナウイルス対策の入国制限で、留学生を受け入れる日本語学校の経営が厳しい状況にあります。昨年4月から、留学予定者が来日できないままの学校が多く、10月期の入学希望者もいまだ入国できません。

 

校舎の維持費、学生寮の管理費、常勤の給与など、売り上げがないにも関わらず、経費だけは発生します。日本語学校をこのまま維持していくのは、もう限界に近いのです。すでに、「2021年度学生募集停止」とHP上に掲載している某大手日本語学校も出てきています。

 

本来ならば、1~2年後の新規入国者向けの営業をかけていなければならないのに、それもできません。「営業ができない」→「新規留学生の獲得が難しい」ということです。

なので、入国制限が解除されたとしても、今後1~2年はこの業界、生き残りが厳しいのではないかとみています。

 

一時的に「休眠状態」にする学校や倒産する学校が出てくるのではないかなあと思っています。