ぐうたら日本語教師の毒のある独り言

暇つぶしに日本語教師をしています。収益化を考えていないので、日本語教育の裏話や搾取されない生き方など、自由に書いています。

特定技能と今後

新聞で、「特定技能」についての記事を目にしました。こちら。

特定技能、家族帯同も拡大「選ばれる国」へ支援拡充急務: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

在留資格「特定技能」について、出入国在留管理庁が長期就労や家族帯同を認める業種を広げる方向で調整に入った。将来の永住も含めた選択肢を増やす狙いだが、各国とは人材の争奪戦が見込まれる。」とのこと。

 

「日本は移民の国になる」とかTwitter見ていたら書かれてあるのですが、なかなか進まないと思います。

特定技能は2年くらい前にスタートしていますが、制度が複雑すぎることとコロナでSTOPしてしまったことで、まだまだ浸透していません。現地でも特定技能の試験が受けられない人がたくさんいるんです。

なので、浸透するにはまだまだ時間がかかると思います。

 

ただ、田舎(かつ新規の日本語学校)や介護施設を系列に持っていたりすると事情が違ってくるのかなあという感じです。最近、特定技能生を対象とした学校の求人を見かけることが多くなってきました。

求人情報に、「当校は、特定技能対象校です」としっかり書かれてあるんですよね。

今回の発表は、いろんな業種がありますが、特に介護従事者を今からしっかり確保しようとする目的だと思います。

田舎のほうでは、高齢者が多く、介護従事者が深刻な人手不足なんです。

 

この流れで行くと、

政府は特定技能を増やしたい→日本語学校の許可率がまた下がる→日本語学校が進学目的はなく特定技能受け入れ校に舵を切り替える

になるのかなあと個人的に思っています。

「N2以上の留学生をたくさん輩出できる進学目的の学校」と「特定技能受け入れ校」に真っ二つに分かれるのではないでしょうか。

 

あと、気になることがもう一つ。

特定技能って、N4以上ですよね。

日本語学校の1年半~2年コースっていらなくなりませんか?

N4だったら、すぐ(半年もあれば)取れちゃいますもんね・・

特定技能の学生を半年でどんどん入れ替えていくのでしょうか?

 

なので、日本語学校日本語教育というより管理団体に近い役割を果たすようになるんではないかなあと思っています。

 

どなたか、「特定技能」に詳しい方がいらっしゃったら教えてください(笑)

 

子供が大きくなった時の働き方

いま、わたしは非常勤講師として大学に勤務していて、1コマ1万円の給料をいただいています。

扶養範囲内で、2人の子供を育てながら仕事をしています。

 

コロナ後の働き方について考えている日本語教師の方は多いと思うのですが、わたしの場合、子供に手がかからなくなったら働き方を変えるべきなのかで悩んでいます。

下の子が小学校に進学した後の自分の働き方について、考えていることを書いてみました。

 

①非常勤講師を続ける

扶養範囲内で非常勤講師を続ける働き方です。

大学の非常勤講師だと、あまり時間も取られず年間100万近く稼げるので、子育て中はとても効率の良い働き方でした。

ただ、子供にお金がかかるようになってくると、いつ解雇になるか分からない非常勤だとリスクありかなと思っています。

そもそも地方大学はすでに大学の経営が傾いてきています。

実際、予算がおりず、突然非常勤講師一斉切りされたこともあります。

50歳代で突然大学解雇になった同僚の先生を見ていると、恐怖を感じます。特殊なお仕事だし、年齢が上がれば上がるほど次がなかなか見つからず、その方は早期退職せざるを得ないとおっしゃっていました。

 

日本語学校の常勤講師

扶養範囲を外れて、フルタイム勤務になる働き方です。

安定はしそうですが、日本語学校の常勤はとても忙しそう・・

会議やら残業やらで夜遅くまで残って仕事しているイメージです。また、人間関係で病んで辞めていく先生も多く見てきました。

やはり女の職場。難しそうです。

子育てしながらやっていけるのか・・疑問です。

また、給与面も昇給があるわけでもなく、ボーナスもなしのところが多い。

待遇がいいわけではないんですよね・・

なかなか踏み出せそうにないなあと思っています。

 

③他の業種に転職する

以前、経理の仕事をしていたこともあり、フルタイム経理の仕事につくべきか迷っています。

フルタイム正社員だと、残業も日本語学校ほどないし、まあそこそこ給与面でも安定している・・

女だらけの職場ではないし、経営基盤の安定している会社だったら、人間関係も極端に悪くはなさそう。

ただ、日本語教育の大学院卒業してるしなあ・・なんだかもったいないなあと後ろ髪をひかれる思いです。

日本語教育の大学院へ進学していなければ、とっくにこちら側の仕事をしていたと思います。せこいのですが、ついつい投資した金額を考えてしまいます。

 

小さいお子さんのお持ちの先生は、どんな働き方を考えていらっしゃいますか?

 

来年度よりも再来年度のほうが心配?!

みなさん、こんにちは。

選挙も終わり、そろそろ入国制限緩和の時期が近いのではないかと思っています。

おそらく、今月解禁されるかなあと予想しています。

なので、「待機組が多すぎてなかなか順番回ってこない」「飛行機が取れない」などしばらく続くと思うので、実際に日本語学校に入学できるのは年明けかなあと。

現在、待機組が多いことから、4月以降、一時的にに日本語学校の入学者数が増えるとみています。

なので、来年度10月に向けて、非常勤講師の求人が増えると思います。

 

 

ただ、再来年度以降は、本当に不明です。

仮に海外に行けるようになって営業活動を再開しても、留学生が日本に来てくれるのか。

現地の日本留学エージェントは、すでに撤退しているところもあります。

もし営業活動がうまくいったとしても、それが反映されるのは1~2年後のこと。

また、「わざわざ日本語学校行かなくてもオンラインで良くない?」という声もちらほらみられるので、どうなるか分かりません。

来年度より、再来年度のほうが心配です。

 

みなさんは、どんな予測をされていますか?!

「みん日」の信仰度数 A1からC2まで

みんなの日本語」信仰者について、前回このような記事を書きました。

わたしが「みん日信仰者」を恐れる理由 - ぐうたら日本語教師の毒のある独り言 (hatenablog.com)

 

意外と、反応があったので、「みん日」信仰度数を6段階で、A1からC2で、レベルを表したいと思います。

 

「JF『みんなの日本語』スタンダードの信仰レベル」

基本段階の『みん日』使用者

A1レベル

教科書は何を使ってもいい。インターネット上の教材や他の絵教材も可。

フリーランス、大学などが該当する。

 

A2レベル

「他の学校さんもが『みん日』使ってるから、うちもみなさんに歩調を合わせておきましょう」的な日本語学校

「みん日」絵教材もいちおう学校にあるが、インターネット上の教材や絵カードも可。

文型導入も指導法も自由。

 

 

自立した『みん日』使用者

B1レベル

仕事が増えるのが嫌だから、「みん日」から移行したくない。

「教科書いまさら変えるのは面倒だから、とりあえず『みん日』を使いましょう」的な日本語学校

建前上「みん日」使うが、「授業はどうぞご自由に」的な日本語学校

 

B2レベル

B1レベル(仕事が増えるのが嫌だから「みん日」から移行したくない。)のちょっと強めバージョン。

 

このへんから、他教材の批判が少しずつ出始める。

「げんきはて形の作り方が違う」「できる日本語は文法能力身につかない」など。

根底にあるのは、「ただでさえ忙しいのに、教科書変えて面倒なこと増やすな」的な日本語学校

「みん日」以外の教科書のメリットを先回りして潰しておく傾向がある。

 

 

熟達した『みん日』使用者

C1レベル

「みん日」以外の教材は基本的にダメ。

B1レベル,B2レベルとの違いは、仕事量云々ではなく、純粋に「みん日」愛があること。

 

玄関に「小説 ミラーさん」が飾ってある。

 

「みん日」副教材ももちろんすべて買わされる。たとえ非漢字圏でも、「みん日」の漢字練習帳を使わなければならない。

 

教務主任が実は「みん日」以外の教科書を使ったことがない。もしくはよく分からない。

 

 

C2レベル

文型導入は、絶対「ミラーさん」。

ミラーさん以外の人を使うと、「他の人物を使うな!」と怒られる。

導入時に生徒や教員の名前を使った場合、まだごまかしがきくが、まちがっても「のび太くん」や「たんじろう」を使ってはいけない。「山田」「松本」はOK。

 

練習は、「みん日」の練習B以外をすると「勝手に語彙を増やすな」と怒られる。

 

「踏み絵」ならぬ「踏み教材」。

学校では、「できる日本語」や「げんき」などの教材に触れることすらできない。他教材の存在を口に出そうものなら抹殺(解雇)されるので、存在を知らないことにして勤務するのが無難。

 

職員室での会話は、まるで練習C。「そうですか。」率高め。教職員の日常会話が練習Cと化している。

 

授業の引継ぎは、「ミラーさん」の付箋に書かなければならない。教職員に「ミラーさん」の付箋が配布される。

 

C1レベルとの違いは、「みん日」布教活動が多めな点。

土日に他校の日本語教師を集めて、しょっちゅうセミナー開催している。

系列校に養成講座があり、「みん日」信仰者を養成している。

 

みなさんの学校は、どのレベルでしょうか(笑)

 

 

 

わたしが「みん日信仰者」を恐れる理由

日本語教師であるならだれもが知っている「みんなの日本語」という教科書と「それを支持する信仰者」、つまり「みん日信仰者」について書きたいと思います。

 

わたしが「みん日信仰者」を恐れる理由は、他の教材をすべて否定するからです。

 

わたしは、田舎で日本語教師をしているのですが、田舎に行けば行くほど「みん日信仰者」が多い気がします。

 

以前勤めていた日本語学校で、「できる」や「だいち」「げんき」を使った先生がいるのですが、教務主任をはじめみんなにボコボコにされていました。

 

そのとき、理由はどんなものかと聞き耳を立てていたのですが、

「勝手に『みん日』以外の語彙を増やすな」

「導入は『ミラーさん』に決まっているでしょう?!なんで他の人物使っているの?」

「『できる』を使ったら文法能力が身につかない」

「『げんき』は『て形』の教え方がまちがっている」

などなど・・

 

しまいには、「みん日」以外の教材を使った先生は「危険人物扱い」されていました・・(→都会じゃありえないと思うのですが・・)

田舎の特徴でしょうか?!

 

 

「みん日信仰者」の特徴として、、

①手書き教案の先生が多い

②10年を超えるベテラン教師

日本語学校以外の勤務経験なし

④田舎在住

といった感じでしょうか。

 

 

もちろん、「みん日」を否定するつもりはありません。

わたしは、学習者のスタイルや目的に合わせて、教材は何を使ってもいいと思っています。

 

でも、「みん日信仰者」に限っては、ちょっと距離置いています。他の教材をすべて全否定するからです。

 

たとえば、「できる」や「まるごと」や「げんき」などを使用されている先生は、他の教材を使う人を攻撃していません。

「できる信仰者」、「まるごと信仰者」「げんき信仰者」ではないんです。

 

「みん日」愛が強いのはわかるのですが、他の教材を使う先生を攻撃するのはいかがなものかと思いました。。。。

 

 

 

「日本語教師になりたいけど迷っています」の判断基準

日本語教師になりたいけど、迷っている場合

突然収入を絶たれても困らないかどうかで判断すればいいと思います。

 

たとえば、夫の扶養範囲内で働きたいなどの主婦にはお勧めです。一方で、一人暮らしをしていて生活がかかっている、養わなければならない家族がいるなどの人は絶対にお勧めしません。

 

 

②すでに日本語教師をしていて、大学院へ進学するか迷っている場合

突然収入を絶たれても困らないかどうか プラス 200万近い金額を用意できるか で判断すればいいと思います。

 

大学院へ進学するととても忙しくなります。常勤をしながら院生をするというのは不可能です。非常勤講師をしながら大学院へ進学する方が大半だと思うのですが、非常勤講師はコロナショックなどで突然解雇されることがあります。そこで、突然収入を絶たれても困らないかどうかがまず大きなポイントになります。

 

大学院進学の判断基準は、それにプラスで、200万近い金額を用意できるかも重要となります。

つまり、経済的に余裕があるかどうか。

 

わたしが大学院へ進学した理由は、「暇だったから」「OLやって稼いだお金をパーっと何かに使いたかったから」です。

大学院へすでに進学していた先輩方には「進学するには研究したいテーマがないとダメ」とか熱いアドバイスをいただいていたのですが。。

とにかく時間と労力とお金に余裕がないと、きれいごとばかりでは通用しません。

 

「あとから回収できる」という考えだと、後々、破綻します。

 

大学院へ進学したら大学で教えられるから時給がUPするのでは?と思っているかたがいるのですが、絶対にやめたほうがいいです。

 

大学院修士課程卒だと、運が良くて「大学の非常勤講師」です。

もし、「大学の非常勤講師」になれたとして、大学の非常勤講師は時給は良いのですが解雇される確率がとても高いのです。なぜなら、日本語はだれでも教えられると思われているから・・大学においては、日本語教師の地位が圧倒的に低いのです。なので、大学の経営が傾くと、まず真っ先に非常勤日本語教師が解雇されます。

これは、日本語学校に勤務していると分かりづらいのですが、日本語の先生の代わりに英語の先生やドイツ語の先生が日本語の授業を突然受け持ったりします。

語学の先生ならまだましですが、言語聴覚士修士課程卒業の事務員など、まったく関係ない人が受け持つパターンもあります。

 

 

大学で常勤講師になるには、博士課程進学が必須となります。

時間と労力とお金がある方には、博士課程はお勧めコースですが、大学常勤はとっても狭き門です。

 

 

わたしは、「日本語教師は給料安い」「稼げないって本当ですか?」など、養成講座の講師をしているときによく質問されました。

 

はっきり言って稼げません

 

でも、養成講座の講師をしている以上、受講生には夢や希望をもってもらわなければならないので、「稼げません」とは言えないんですよね。なので、それとなーく「稼げないよ。(みんな察してね・・)」ということを言っていました。

 

いかに稼げないかというのは、他の日本語教師の方がブログなどでたくさん書かれていていくらでもネットで閲覧できるので、あえて触れませんが・・

 

 

 

優秀な先生ほど出遅れる?!   オンライン授業

オンライン日本語教師について、いろいろと書いてきましたが、「オンライン日本語教師」には2通りあると思います。

 

①勤務先の日本語学校や大学がオンライン授業に切り替わった場合

②プラットフォームに登録してオンライン授業をする場合

 

 

まず、こちら。

①勤務先の日本語学校や大学がオンライン授業に切り替わった場合

今まで対面授業だったところが、コロナの影響でオンライン授業に切り替わった場合です。この場合、給与は対面授業と変わりません。また、自分で日本語学習者を獲得しなくていいので、営業能力は求められません。

極端な話、しょぼい授業をしても速攻解雇になる(または、生徒からキャンセルされる)心配はありません。主任から「もっとちゃんとした授業をしてください」と注意は受けるかもしれませんが・・

 

わたしは現在こちらのパターンで仕事を受けていますが、通勤時間もいらないし、給与面も対面授業の時と変わらないので、特に不満はありません。

勤務先の日本語学校や大学がオンライン授業に切り替わった場合は、ラッキーだと思います。

 

 

②プラットフォームに登録してオンライン授業をする場合

こちらの場合、自分でカフェトークやアイトーキなどプラットフォームを探して、登録して、生徒獲得しなければなりません。

生徒獲得のためには、営業能力やPCの知識などが求められます。どうすれば生徒を獲得できるのか、目をひくプロフィールはどんなものか、常にアンテナをはっていないといけません。で、その割に手元に入るお金は少ない・・

 

わたしが思うに、コロナ前からオンライン授業をしている先生(またはコロナ直後すぐにオンライン授業に切り替えた先生)は、ある程度生徒が集まっていると思います。一方で、今年から(つまり2021年度から)オンライン授業で生徒を集めようとしても「時すでに遅し」という感じがします。

 

実際、「カフェトーク」の「人気講師ランキング」を見てみると、分かると思います。人気講師は毎回同じ顔ぶれです。たとえ新着講師ランキングで1位をとっても、3か月後には「人気講師ランキング」にランクインすらできず、多くの講師の中に埋もれてしまいます。つまり、いくら頑張ったところで、コロナ前からオンライン授業をしている先生にはかなわないのです。

 

また、今年度、新規で登録してきている講師は、とても優秀な先生が多い印象があります。日本語学校経験年数〇〇十年とか、大学院博士課程修了など。「なぜこんなすごい経歴の先生がこんな低価格で授業するの?」と何度も思ったことがあります。

 

勝手な感想ですが、、、

ご経験のある先生や経歴がすばらしい先生など優秀な先生は、2020年度の時点ではまだ解雇されておらず、コロナが思ったより長引いて今年度は仕事がなくなったからオンライン講師に登録したのかなあと思います。つまり、優秀な先生ほどオンライン講師のスタート時点で出遅れたのではないかとみています。

優秀な先生は、たとえ学校経営が厳しくなっても、なんとか学校に繋ぎとめようとしますからね。

 

 

余談ですが・・

超絶優秀な日本語教師は、コロナ前からオンライン授業されてて、セミナーなど開催されて、日本語教材を出しまくってて、SNS使いこなせて、成功されているかと思います。(→わたしも、そうすればよかった)

 

 

 

話をもとに戻すと、わたしが、カフェトークをやめた理由が、

1カ月カフェトークで教えて手元に入った金額<大学の1コマの授業をしてもらえる金額だったからです。

 

1カ月カフェトークで教えるためには、プロフィールを書き直したり、授業料を設定したり、オンラインスタンバイをしてみたりと、時間がものすごくかかりました。大学や日本語学校だったら、90分拘束されるだけでそれ以上の金額を稼げるのです。

 

以上、勤務先の日本語学校や大学がオンライン授業に切り替わった場合にのみオンライン授業をお勧めします。

参考までに。